●"Tales from Earthsea"の感想。
アーシュラ・K・ル・グウィンによる『アースシー物語』の5巻目、"Tales from Earthsea"をようやく読み終わりました。
以外にというか、、今回はだいぶと時間がかかったんですが、実は読み始めてすぐに「前文("Foreword")」の時点で、この前読んだ"The Other Wind"と読む順番間違えたことに気付きました。(笑
実は、ル・グウィンさんが書いた順番は"Tales form Earthsea" ⇒ "The Other Wind"だったとか。。
そういえば、この5巻目(?)は「アースシー外伝」のようなものだということを、すっかり忘れていたような気がします。まあそれだから4巻の"Tehanu"⇒ 6巻:"The Other Wind"と読んでも、ストーリーの流れは別にスムーズだったのだけれど。。
この5巻目の構成は、ル・グィンさんの意味深な(笑)「前文」の他には5つのショート・ストーリーがメインの読み物としてあって、最後に「アースシー世界」自体の設定(歴史・人々・言語・魔法など)の解説となっています。
1~4巻、そして6巻の「本編」とは(大まかに言って)直接関係がないこれら5つのショート・ストーリーですが、ほんとにどれも絶品で、ル・グウィンさんの創作能力全開!というかんじの素晴らしい短編ばかり。
5つのうち、なんか半分以上がラヴ・ストーリー(中心)だった気がするのですが、やっぱりル・グウィンさんもアースシー世界のロマンスを、もっと書きたくて仕方なかったのかな…とかいう気はします。
ゲドの師匠、オジオンのそのまた師匠が、若き日のオジオンと共に捨て身でゴント島の大地震を止めた時のエピソード:'Bones of the Earth'も感動的ながら、個人的には'DarkRose and Diamond'と特に'On the High Marsh'のゆったりとした時間の流れ、人間本来の質素な生活の描写がすごく読んでいて気持ち良かった。。
最後の'Dragonfly'のエピソードが、6巻に出てくる、ドラゴンであり人間の女性:イリアンの出自のことだったのだけれど(要するに6巻の予備知識)、そんなことはともかく、彼女とアズバーとの密接ながらもぎこちない関係が、最終巻でのテハヌーとレバンネン王の関係に重なって、こみ上げて来るものがありました。
Azver: "Will you come back to us, Irian?"
Irian: "I will. If you call me."

…こうして、ようやく『アースシー物語』の全巻を読み終えたことになるのだけれど、この(ファンタジー)シリーズが「映画化できない」と言われ続ける根本的な理由がやっと分かりました。
その理由は単純に、このアースシー・シリーズは単なる「ファンタジー」を超えている、ということ。例えるなら「神話」とか「伝説」の類だということです。
つまりギリシア神話と肩を並べるような「伝説」を映画化しようとするのが、いかに無謀なことかはごく自然に想像できると。。